第210話

エイラは研究所の外に立ち、耳に携帯電話を押し当てていた。顎がきゅっと強張る。

「何のつもり、セバスチャン?」

「何も企んでなんかいない」彼の声は柔らかくなり、ほとんど哀れみを誘うほどだった。「ただ話がしたいんだ、エイラ。それだけだ。数分だけ時間をくれないか?」

「あなたの法的通知は六日前に受け取ったわ。ずいぶんプロフェッショナルね。言葉選びも綿密で」

彼女は壁にもたれた。周囲では技術者たちが廊下を行き交っている。

アルファのセバスチャンが静かに息を吐いた。まるで彼女に傷つけられたかのように。「アルファのキリアンが書くのを手伝ったのか? あいつのことは警告しただろう。危険だ。近づきすぎ...

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